--- WRecycle Version 1.06.1 --- =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 概要  このプログラムは、MS-DOS やコマンドプロンプト上で Windows の ごみ箱を扱うプログラムです。コマンドラインからごみ箱にファイルを 捨てることも出来れば、誤ってシステム ファイルをごみ箱に入れてしまい、 Windows が起動できない時などに、DOS からごみ箱を操作し、ファイルや フォルダをごみ箱から復元することも出来ます。もちろん、Windows 上の プロンプトでも操作できます。  完全なコマンドラインツールであるため、例えばスタートアップに登録 しておくことで、Windows 起動時に「ごみ箱を空にする」処理を行う ことが出来ます。  なお、プロンプトの日本語環境・英語環境のどちらでも実行する ことが出来ます。(英語メッセージは英語として微妙かもしれませんが・・・) ※ ファイル名でショートネーム (DOS 時代の 8.3 形式のファイル名) が   使えないドライブの場合、このプログラムが上手く動かない   可能性があります。その場合は、WRecycle32.exe を利用してください。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 必要な環境 ・WRecycle.exe は、MS-DOS や Windows の MS-DOS プロンプト / コマンド  プロンプト上で動作します。 ・WRecycle32.exe は、Windows 95 以降の MS-DOS プロンプトや  コマンドプロンプト上でのみ動作します。Windows 3.1 や MS-DOS では  実行できません。 ・以下の OS で動作確認をしています。  ・WRecycle.exe   [ MS-DOS 6.2、Windows 95、Windows XP、Windows Vista、Windows 7 ]  ・WRecycle32.exe   [ Windows 95、Windows XP、Windows Vista、Windows 7 ] =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= インストール・アンインストール ・インストールに特別な処理は必要ありません。WRecycle.exe、WRecycle32.exe  自身が実行プログラムです。 ・アンインストールも特別な処理は必要なく、WRecycle.exe、WRecycle32.exe  をそのまま削除してかまいません。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= コマンドライン  WRecycle は以下のコマンドラインで実行します。WRecycle32.exe も同様です。 wrecycle [/nologo] [<ごみ箱のパス>] /f <ファイル名> [/Y] wrecycle [/nologo] [<ごみ箱のパス>] <ファイル番号> [/Y] [/delete | <復元先>] wrecycle [/nologo] [<ごみ箱のパス>] /view wrecycle [/nologo] [<ごみ箱のパス>] /empty [/Y] <ごみ箱のパス> ごみ箱のパスを指定します。省略した場合は、x:\Recycled (x は現在のドライブ) などを使用します。/f、復元ファイル番号、 /view、/empty の前に指定する必要があります。 [Version 1.03.2 以降] パスに「C:」など、ドライブのみ指定した場合、そのドライブにおける デフォルトのごみ箱を検索して使用します。 <ファイル名> ごみ箱に移動するファイル/ディレクトリを指定します。複数指定することも、  ワイルドカードを使用することも可能です。 /f の後に必ず指定する必要があります。 <ファイル番号> /view で表示されるリスト内でのファイルの番号を指定します。 <復元先> 復元先のファイル/ディレクトリ名を指定します。ディレクトリを 指定する場合は、末尾を \ にしてください。 /nologo 著作権情報を表示しません。 /f 後に続くファイル(複数可)をごみ箱に移動します。 /delete 復元せずに削除します。復元ファイル番号の後に指定します。 /view ごみ箱のファイルの一覧を表示します。 /empty ごみ箱を空にします。 /Y コマンド実行の際に確認のメッセージを表示しません。 ※ [ ] で括られているものは省略可能で、「|」は左右のどちらかを指定します。 ※ WRecycle は DOS アプリケーションのため、DOS 上で実行する際は   パスはすべてショートネームで指定する必要がありますが、Windows 上で   実行した場合は " " で括ることによりロングネーム (Windows でのファイル名、   最大 260 文字) も扱うことが出来ます。 ※ コマンド名は大文字・小文字を問いません。 ※ ディレクトリとフォルダは、ここでは同等の意味を持つものとして扱っています。 ※ 同じドライブに複数のごみ箱がある場合で、ごみ箱へのパスを完全に   指定していない場合は、ごみ箱の選択を促すプロンプトが表示されます。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ファイル・フォルダをごみ箱へ移動  ファイルやフォルダを、WRecycle を使ってごみ箱へ移動する時、 /f スイッチを使って WRecycle を実行します。 (例 - これ以降、「>」の後ろの文字列は、ユーザーが入力した内容とします。 実際には「>」は、「C:\>」などを除いて画面に表示されません。) C:\My Documents> WRecycle C:\Recycled /f "C:\My Documents\List.xls" ..\waste.dat ごみ箱: C:\Recycled 1: C:\My Documents\List.xls 2: C:\waste.dat これらのファイルをごみ箱に移動しますか? (Y/N) >Y List.xls: ごみ箱への移動に成功しました。 waste.dat: エラー: ファイル C:\waste.dat は見つからないか、不正なパスです。 ※ パスの指定は、絶対パス (x:\ から指定) と相対パス (xxx\yyy、..\zzz など)   のどちらでも構いません。相対パスの場合は、現在のディレクトリが使用されます。 ※ ごみ箱に捨てるファイルのあるドライブと、ごみ箱のあるドライブは必ず   一致させる必要があります (ごみ箱の仕様のため)。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ファイルの一覧表示  WRecycle に /view スイッチをつけて実行すると、ごみ箱にあるファイルの 一覧が表示されます。この一覧は、以下の形式となっています。 (例) ごみ箱のファイル数: 3 番号, 元のファイル名, 削除日時, 属性 ( Archive System Hidden Readonly) [1] C:\WINDOWS\Document File.txt 2004/12/20 10:34:15 A--R [2] C:\My Documents\List.xls 2004/12/24 12:24:00 --H- [3] C:\temp 2004/12/27 21:41:43 --H-  リストは、番号、元のファイル名、削除日時、属性の順で表示されます。 ・番号は、ファイルの復元や削除の時に使う復元番号です。 ・元のファイル名は、削除される前のパスをロングネームで表示されます。 ・削除日時は、ごみ箱に移した日時です。日本時間に変換されています。 ・属性は、 ASHR で表示されます。 はディレクトリ、  A はアーカイブ (バックアップ属性)、S はシステム ファイル、  H は隠しファイル、R は読み取り専用の属性です。  ごみ箱に何もない時は、「ごみ箱は空です」と表示されます。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ファイル・フォルダの復元・削除  ごみ箱からファイル・フォルダを復元する時は、WRecycle に復元番号を 指定して実行します。例えば、以下のように実行します。 (例) [上の例の状態にあるとき] > WRecycle 2 [2] C:\My Documents\List.xls 2004/12/24 12:24:00 --H- この内容を復元しますか? (Y/N) >Y 'C:\Recycled\DC2.XLS' を 'C:\My Documents\List.xls' に復元中... 復元は成功しました。  番号を指定して実行すると、「この内容を復元しますか?」と尋ねられるので、 内容が正しければ Y または Enter を入力します。正しくなければ N または ESC を入力します。復元が無事終了すると、「復元は成功しました。」と 表示され終了します。  DOS 上で実行している場合で、元のファイル名がロングネームの場合、 以下のメッセージとともに入力を促されます。 ファイル名 'C:\My Documents\List.xls' は DOS では使用できません。 新しい復元名を指定してください。 >  このときは、復元先のファイル名をショートネームで入力します。 キャンセルする場合は Ctrl を押しながら C を入力します。  ファイル・フォルダを復元する際に、番号の後ろに復元先を指定すれば、 そこにファイルが復元されます。Windows のプロンプトで実行していて 復元先を指定したい場合は、ここで指定してください。  また、/delete スイッチを指定すると、ファイルは復元されずに ごみ箱から削除されます。一旦削除するとこのプログラムでは復元 できないので注意してください。 ※ ファイル・フォルダを復元する際、復元先が存在すると失敗します。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= その他 ・/empty スイッチはごみ箱内のファイルを全て削除して空にします。  一度空にすると、このプログラムでは削除されたファイルは復元  できないので注意してください。 ・/Y スイッチを使用すると、確認メッセージが表示されなくなります。  バッチ処理でファイルを捨てる際にこのスイッチは便利です。 ・[Version 1.03.2 以降]  NTFS ファイルシステム上のごみ箱では、C:\Recycler (または C:\$RECYCLE.BIN)  というフォルダの中に英数字の長いフォルダ名があり、それぞれのフォルダが  ごみ箱本体になっています。WRecycle では、この中でアクセス可能なフォルダを  自動的に選択し、ごみ箱として扱うことが出来ます。  管理者権限で実行しているときなど、アクセス可能なフォルダが  複数あるときは、リストを表示してフォルダを選択できるようになっています。  ※ 英数字の長いフォルダ名はユーザーの SID ですが、DOS 上で    SID をユーザー名に変換することが出来ないため、    分かりにくい表示となっています。  なお、Recycler ごみ箱では、内部でファイル名を Unicode で扱っていますが、  DOS 上で操作するとファイル名が失われる可能性があります。  その場合は、WRecycle32 を利用してください。 ・一度エクスプローラなどでごみ箱を開くと、WRecycle32 では  「ごみ箱を空にする」が出来なくなる場合があります。このとき、  WRecycle (DOS 版) を実行すると、なぜか空にすることが出来ます。 ・このプログラムは、終了状態によって終了コードを返します。  バッチ処理で IF ERRORLEVEL などを使用すれば条件分岐が可能です。 ※ 右の説明は、画面に出力されるものと異なりますが、意味は同じです。 コード 説明 1: 「使い方」が表示されました。 2: 処理が取り消されました。 3: ごみ箱は既に空です。 11: (警告) ごみ箱の削除ファイル登録データを削除できませんでした。 21: (エラー) コマンドラインが不正です。 22: (エラー) ごみ箱のパスが不正です。 23: (エラー) 復元番号が不正です。 24: (エラー) ごみ箱は空であるため、復元できません。 25: (エラー) ファイルのパスが不正です。 26: (エラー) ファイルのあるドライブとごみ箱のあるドライブが一致しません。 27: (エラー) 指定したドライブにアクセスできません。 28: (エラー) ドライブにごみ箱が見つかりませんでした。 29: (エラー) ごみ箱に移動すべきファイルがありません。 61: (エラー) ごみ箱の削除ファイル登録データ情報を読み取れません。 62: (エラー) ファイルを復元できませんでした。 63: (エラー) ファイルを削除できませんでした。 64: (エラー) ごみ箱を空に出来ませんでした。 65: (エラー) ごみ箱のデータを作成できませんでした。 254: (エラー) メモリが不足しています。 255: (エラー) 不明なエラーです。 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= WRecycle.exe と WRecycle32.exe の違い  上記の説明中にも一部書いていますが、WRecycle.exe と WRecycle32.exe の 間には、実行内容に大きな違いはありません。ただし、WRecycle.exe は DOS 向けであるのに対し、WRecycle32.exe は Windows (95 以降) 向けです。 また、短いファイル名をサポートしていないディスクや、Unicode の ファイル名が多言語である場合などは、(古いため) WRecycle.exe は 上手く処理できません。  WRecycle32.exe はファイル名の扱いに極力 Unicode を使用していますが、 アプリケーション自身は Unicode ベースで作られているわけでは無いので 注意してください。(画面表示は化ける場合があります。) ※ Vista 以降の OS で WRecycle.exe を実行すると日本語が化ける可能性が   あるため、WRecycle32.exe を利用することをお勧めします。   (機能自体への支障は確認されておらず、問題ないと思われます。) =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 更新履歴 Version 1.06.1 ・「/delete」スイッチが使用できなかった問題を修正。 ・複数のOSバージョンのごみ箱が含まれる場合、新しいバージョンのみしか  選択肢に現れないのを修正。 Version 1.05.1 ・Windows Vista および Windows 7 のごみ箱の形式に対応。 ・エラーメッセージとコードを2つ追加。 ・対象 OS の異なるごみ箱が複数存在する場合にも選択肢を表示できるようにした。 ・DOS 上で実行する際にファイル操作がうまくいかないことがあるのを修正。 Version 1.04.1 ・ファイルをごみ箱に移動するときに、  ・ワイルドカードを使用できるようにした。  ・「C:Data.xls」(C ドライブの現在のディレクトリにある Data.xls ファイル)   のようなファイルの指定方法を可能にした。 ・エラーメッセージとコードを1つ追加。 ・ごみ箱を空にする際、desktop.ini を消してしまう可能性があったのを修正。 Version 1.03.2 ・NTFS ファイルシステムのごみ箱を解析し、NTFS でもごみ箱を使えるようにした。  (DOS 版は内部で Unicode 処理を行っているため、サイズが大きくなった) ・ごみ箱自身が長いファイル名でも正しく扱えるように修正。  (上記の変更にあわせた形) ・Windows 95 以降で快適に動く 32bit 版の WRecycle32.exe をセットにした。 ・エラーメッセージとコードを2つ追加。 Version 1.02.3 ・ファイル・フォルダをごみ箱に捨てる機能を追加。 ・ごみ箱の解析を進め、より正確なデータ処理を行えるようにした。  これにより、INFO2 ファイルを使うごみ箱だけでなく、INFO ファイルを使う  ごみ箱 (Windows 95 の古いシェルなどで使用) でも動作するようになりました。 ・その他細かい不具合を修正。 Version 1.01.0 ・ごみ箱を空にする動作で、ごみ箱に「ごみ」(元のファイル) が  残ってしまう不具合を修正。 ・コンパイル オプションの変更で軽量化。 Version 1.00.0 (初期バージョン。) =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ホームページ: http://pf-j.sakura.ne.jp/ 作者: ジェット